あ!
会社帰りに電車のなかで、
ゲームボーイアドバンスを両手にもって、
最近覚えたての碁に没頭しながら、
ひとつの光に誘われるかのように、
顔を上げてみると、
目の前の人と目があった。
市川実可子だった。
深く帽子をかぶってたからだろう。
小汚い男性に抱かれて電車にのっているが、
時間に追われている人々は、気づくわけがなく、
そもそも、芸能人オーラなんてものは微かにしかなく。
目があった自分も、そんな芸能人オーラに負けるわけもなく、
あえてこちらから見て見ぬふりをして、
再び碁に没頭した。
そんな一日。